鉄は、赤血球の成分となり、全身に酸素を運ぶ効果があります。鉄は、思春期~成熟期の女性に不足しやすく、貧血気味の人、月経のある人、成長期の子どもなどにおすすめの栄養素になります。
鉄分の多い食べ物やサプリメントを紹介しています。調理を工夫して、鉄の吸収率を上げる秘訣も解説しています。鉄分の疑問を解決できると思います。
1.鉄分とは
鉄は、成人の男性(体重75kg)の体内には約3.8g、女性(体重55kg)は約2.3g存在しています。そのうち、約70%は機能鉄、残りの30%は貯蔵鉄に分けられます。貯蔵鉄は、機能鉄が不足した際に動員されます。それゆえ、鉄が欠乏すると、貯蔵鉄のフェリチンが供給され、鉄欠乏の早期には血清フェリチン値が低下します。ただし、総鉄量に占める貯蔵鉄量の割合は、男子が約30%、女性が約12%であり、女性の方が低くなります。
表:機能鉄と貯蔵鉄
形態 | 鉄たんぱく質 | 概要 |
機能鉄 | ヘモグロビン | 総鉄量の約65%を占めています。 赤血球のヘモグロビンを構成し、肺から全身に酸素を運びます。 |
ミオグロビン | 筋肉のミオグロビンを構成し、血液の酸素を細胞に取り込みます。 | |
チトクロム カタラーゼ |
電子伝達系や生体の酸化還元反応に関与します。 | |
トランスフェリン | 鉄を輸送するたんぱく質になります。 | |
貯蔵鉄 | フェリチン ヘモジデリン |
総鉄量の約30%を占めています。 肝臓、脾臓、骨髄で鉄を貯蔵するたんぱく質になります。 |
2.鉄分の1日の必要量
赤血球の寿命は約4カ月であり、老化した赤血球は脾臓で破壊されます。破壊された赤血球に由来する鉄は、骨髄へ運ばれて、大部分はヘモグロビンの合成に再び利用されます。そのため、鉄は他のミネラルとは異なり、ほとんど体外へ排斥されません。
男性の1日に排斥される鉄は、わずかに約1mgとなります。女性は、0.75~0.79mg/日の鉄が排斥され、月経血(37ml/日の場合)として0.55mg/日喪失します。この値を腸での鉄の吸収率(約15%) で処理して、推奨量を策定しています。
表:鉄(mg/日)の推奨量
年齢 | 男性 | 女性 |
0~5(月) | – | – |
6~11(月) | 5.0 | 4.5 |
1~2歳 | 4.5 | 4.5 |
3~5歳 | 5.5 | 5.0 |
6~7歳 | 6.5 | 6.5 |
8~9歳 | 8.0 | 8.5 |
10~11歳 | 10.0 | 10.0 |
12~14歳 | 11.5 | 10.0 |
15~17歳 | 9.5 | 7.0 |
18~29歳 | 7.0 | 6.0 |
30~49歳 | 7.5 | 6.5 |
50~69歳 | 7.5 | 6.5 |
70歳以上 | 7.0 | 6.0 |
妊婦(付加量)初期 | +2.5 | |
妊婦(付加量)中期と長期 | +15.0 | |
授乳婦(付加量) | +2.5 |
注意点は、鉄の推奨量には、多過月経(月経出血量が80ml/回以上)の人を除外して策定しています。
3.鉄分の効果
➀酸素の運搬や保持
赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンを構成する鉄は、組織に酸素を運びます。
➁酸化還元反応に関与する
細胞内では、チトクロムやカタラーゼなどのヘム酵素の構成成分として、電子伝達系や生体の酸化還元反応に必要であり、ATP合成に関わります。
4.鉄分不足
鉄の不足は、出血(月経、潰瘍やがんによる消化管出血)、成長期、妊娠・出産・授乳期でみられます。鉄が不足すると、身体に酸素を運べないため、めまい、鉄欠乏性貧血や作業能力の低下、倦怠感、動悸、食欲不振、頭痛、免疫機能の低下、妊娠への悪影響が起こります。
鉄欠乏性貧血は、思春期から成熟期の女性では、5~10%に及ぶと言われています。貯蔵鉄が不足しているが生理的変化はみられない潜在性鉄欠乏を含まると、1/3から半数を占めるとされています。また、閉経後の女性や男性では、貧血はあまりみられません。
5.鉄分の多い食品と鉄分補給の秘訣
5-1.鉄分の吸収率には差がある
食品中の鉄は、ヘム鉄(赤身の魚や肉に多く含まれる)と非ヘム鉄(卵、豆、緑黄色野菜に多く含まれる)に分けられます。鉄の吸収率は、ヘム鉄と非ヘム鉄の構成比、共存物質、体内貯蔵鉄量、赤血球産生速度などにより大きく変動します。
ヘム鉄は、他の食品成分に左右されにくく、吸収率が20~30%もあります。一方で、非ヘム鉄は、他の食品成分に影響を受けやすく、吸収率が2~5%しかありません。実際の食事での鉄の吸収率は、約15%とされています。
また、鉄の吸収率は栄養状態で変動し、鉄が欠乏している状態では、鉄の吸収率は2倍に上昇します。
5-2.鉄分の吸収を促進する要因
非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質(肉類、魚類に多く含まれる)と一緒に摂取すると、吸収率が高くなります。これは、食品中の非ヘム鉄は、そのままでは吸収されない難溶性の三価鉄(Fe³⁺)として存在しているが、胃酸やビタミンCにより還元され、水溶性のニ価鉄(Fe²⁺)となり吸収されることに由来します。
5-3.鉄分の吸収を阻害する要因
穀類や豆類に多く含まれるフィチン酸、お茶やコーヒーに多く含まれるタンニン、シュウ酸、食物繊維は、非ヘム鉄の吸収を阻害します。
6.鉄分の補給に適した健康食品やサプリメント3選
今までの食生活・生活習慣を変えるのは難しいと思います。「健康食品」を活用して、食生活・生活習慣を変える“きっかけ”を作りませんか?機能性重視でおすすめできる健康食品を紹介します。
6-1.美めぐり習慣(さくらフォレスト株式会社)
美めぐり習慣
鉄分サプリランキングNo.1!
鉄分不足を解消したい女性必見!
効果の評価:★★★★★★★★★★ 10/10
食品の分類
栄養機能食品
(鉄、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC)
原材料
有機生姜末、有機モロヘイヤ、スピルリナ、ハーブエキスパウダー、豚肝臓酵素分解物、マルトデキストリン、アセロラ、ヘム鉄(豚由来)、 セルロース、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ステアリン酸Ca、ビタミンB6、ビタミンB12
通常価格
3980円(税込)
初回価格
66%OFFの1480円
(税込)
1日の目安量
1日5粒
容量
約1か月分(150粒)
「美めぐり習慣について詳しくまとめた記事」もあるので参考にしてください。
6-2.ムズムズシラズ(わくわく堂株式会社)
ムズムズシラズ
鉄分の栄養機能食品!
同時に”足のむずむず”も改善!?
効果の評価:★★★★★★★★☆☆ 8/10
食品の分類
栄養機能食品
対象の栄養素:葉酸、鉄、ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12
原材料
還元麦芽糖水飴、カムカム果汁、国産有機モロヘイヤ粉末、豚肝臓酵素分解物/ヘム鉄、結晶セルロース、ビタミンC、L-チロシン、ステアリン酸カルシウム、HPC、ビタミンB1、二酸化ケイ素、ビタミンB3、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12
通常価格
5500円(税別)
初回価格
30%OFFの3850円
(税別)
1日の目安量
1日5粒
容量
約1か月分(150粒)
「ムズムズシラズについて詳しくまとめた記事」もあるので参考にしてください。
6-3.セノビック(ロート製薬株式会社)
セノビック
鉄分の栄養機能食品!
幼稚園から小中高生のお子様を持つお母さん必見!
効果の評価:★★★★★★★★★★ 10/10
食品の分類
栄養機能食品
対象の栄養素:
カルシウム、ビタミンD、鉄
原材料
グラニュー糖、ココアパウダー(ココアバター10~12%)、麦芽糖、乳糖、ミルクペプチド、卵黄ペプチド、植物油脂、卵殻カルシウム、香料、ビタミンC、ビタミンE、ピロリン酸鉄、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、(原材料の一部に乳、卵含む)
通常価格
2160円(税込)
初回価格
10%OFFの1944円
(税込)
1日の目安量
1日20g
(小スプーン山盛り4杯分)
容量
約1か月分(2袋×280g)
最後に、鉄欠乏性貧血は、サプリメントを3~6カ月摂取すると、改善がみられます。
ただし、貯蔵鉄が満たされるまでの期間(症状が改善した後の3カ月間)は、継続してサプリメントを摂取するほうがいいと思います。なお、サプリメントによる鉄分の過剰摂取は注意が必要になります。