一体、チアシードとは何?
10年前、チアシードが通販で販売されるようになり、最近はコストコやコンビニで購入できるようになった。
チアシードは食物繊維が多く含まれ、腹持ちが良く、その他の栄養価も優れていることから、ダイエットにうってつけの食品として注目を浴びている。私自身、チアシードダイエットに取り組み痩せることができた。
そして、今、あなたもチアシードに興味を抱いているはずだ。だが、具体的にチアシードとは何の種か、話題のスーパーフードの効果は本当か、疑問に感じているだろう。
そこで本日は、私が、チアシードを理解するために、必要不可欠な基本的な情報を提供する。これから、チアシードを購入して食生活に取り入れたいという方にとって、必ず大きな気づきとなることをお約束する。
1.チアシードとは
1-1.チアシードとは何?
以前、私がチアシードについて勉強するとき、「WikipediaでChia seed」と検索して、英語を読解し情報を得ていた。wikiに日本語でチアシードのことを書いているページが存在していないからだ。
しかし、英語で読むのは手間がかかるし、国によって1日あたりの栄養素等表示基準値は異なるので、日本人の私たちにとって間違った情報も掲載されていた。
そういった経緯から、この記事は日本人向けに「チアシードとは何か」分かりやすく解説していきたい。
さっそく、チアシードとはチア(学名:Salvia hispanica)というシソ科アキギリ属の一年草の種子のことである。チアシードは中南米が原産地で、メキシコでは古代マヤ文明やアステカ文明の頃から主食として食べられていたそうだ。
この小さなチアの種子は持続的にエネルギーを増強する力があり、とても栄養価が高い。事実、チアシードには糖質やタンパク質のエネルギー源に加えて、食物繊維、抗酸化物質、カルシウム、健康にいいオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)などの栄養素が含まれている。こういった理由で、古代マヤ語で“強さ”を”意味する”チア”という名前がつけられ、チアシードを呼ばれるようになったぐらいだ。
実際に、チアシード大さじ1杯分(12g)のエネルギーと各栄養素を記載したので参考にして欲しい:(1)
- エネルギー: 58kcal
- 糖質: 5.1g
- たんぱく質: 2.0g
- 脂質: 3.7g
- 食物繊維: 4.1g(*栄養素等表示基準値の22%)
- ナイアシン: 1.06mg(栄養素等表示基準値の8%)
- 鉄分: 0.93mg(栄養素等表示基準値の14%)
- マグネシウム: 40mg(栄養素等表示基準値の13%)
- リン: 103mg(栄養素等表示基準値の11%)
- カルシウム: 76mg(栄養素等表示基準値の11%)
- 亜鉛: 0.55mg(栄養素等表示基準値の6%)
- カリウム: 49mg(栄養素等表示基準値の2%)
*栄養素等表示基準値は1 日当たりの栄養素等摂取目安量。
チアシードの味はマイルドなナッツの風味がして非常に食べやすく、どんな料理や飲み物にもアクセントとして加えることができる。一般的に、ご飯、サラダ、ヨーグルト、スープ、スムージー、クッキーの材料としてよく使用されている。
また、チアシードはフラックスシード(亜麻仁の種)とは違って、未処理のまま粉砕しなくとも体内で栄養素を十分に吸収できる特性がある。従って、そのまま食べることもできるし、水に浸してゲル化させて摂取することもでき、食べ方の汎用性に優れている。
*上の写真はチア(植物)、下は収穫したチアシードの画像。
1-2.チアシードとは?その効果は!?
ダイエット効果
多くの専門家は、チアシードがダイエットに有効だと考えている。なぜなら、チアシードには水溶性食物繊維と植物性タンパク質が含まれているからだ。
チアシードの水溶性食物繊維は体内で大量の水分を吸収して膨張する。そして、食物の吸収が遅れることで、満腹感が持続する。結果、食べ過ぎを防ぐことができる。(2)
実際、いくつかの研究で、水溶性食物繊維のグルコマンナンを摂取すると、この仕組みでダイエット効果を発揮すると分かっている。(3,4)
同様に、チアシードの植物性タンパク質にも食欲と食物摂取量を抑える作用がある。
従って、チアシードの水溶性食物繊維とタンパク質がダイエットに効果的ということだ。
しかしながら、このようにチアシードはダイエットをサポートしてくれるが、成功には1つの食材だけでなく、バランスの良い食事と健康的なライフスタイルが重要であることは心にとめておこう。
美肌・美容効果
チアシードには抗酸化作用のある天然のポリフェノールが含まれており、美肌・美容効果を得ることができ、老化防止にもとても役立つ。
事実、チアシードの抗酸化作用は非常に強く、活性酸素(フリーラジカル)の活性を70%まで抑えることができる。(5)
また、ポリフェノールのような抗酸化物質は損傷を受けた皮膚の修復を促し、さらなるダメージを軽減する働きもある。
つまり、チアシードを食べれば、その抗酸化作用によって活性酸素や炎症が引き起こす肌トラブルが改善されて、肌の早期老化を防ぐことができるのだ。
もちろん、自家製のチアシードのフェイスマスクを作って、体の外側から肌をケアすることも有効な方法である。フェイスマスクの作り方は簡単で、チアシード(小さじ2杯)と水(小さじ6杯)を混ぜ、しばらく放置してチアシードがゲル状になった後、好みのエッセンシャルオイルを1~2滴加えるだけだ。(6)
ぜひ、試してみて欲しい。
便秘にいい
チアシードは胃や腸の健康を保つ働きがあり、便秘解消に効果的だ。
実際に、チアシードをたった大さじ1杯分(12g)食べるだけで、便秘に効く食物繊維を4.1g摂取できる。
また、チアシードの水溶性食物繊維は、腸内でプレバイオティクスとしてプロバイオティクスの働きを助ける。そして、腸内環境(腸内フローラ)のバランスを整える。
このように、チアシードは複数の仕組みによって、胃や腸などの消化管の健康を維持し、便秘に効く。
アレルギー・アトピーに効く
チアシードのオメガ3脂肪酸はアレルギー反応を防ぎ、アトピーを和らげる作用がある。
アレルギーとは、特定の抗原に異常な免疫反応が生じている状態である。オメガ3脂肪酸は免疫系を調節し、かつ、強化する働きがあるので、アレルギーを抑えることができる。
また、オメガ3脂肪酸には鎮痛効果もあると言われている。慢性的な皮膚アレルギーがある馬の皮膚の乾燥とかゆみを軽減したことが報告されている。同様に、ヒトの場合においてもアトピー症状を軽減する可能性がある。
糖尿病の予防と改善
チアシードは糖尿病の予防と改善にも有効だ。
動物実験において、チアシードは血糖値を下げるホルモンであるインスリンの感受性を改善し、食後の血糖値を安定化させると分かった。(7,8,9)
そして、ヒトの臨床研究においても、チアシードを含むパンを食べた人は、チアシードを含まないパンを食べた人と比較して、食後の血糖値の上昇が穏やかになることが明らかになった。(10,11)
つまり、パンのような炭水化物の多い食品を食べる際に、チアシードを摂取することで、食後の急激な血糖上昇を抑えることができるのだ。2型糖尿病の予防と改善に有効だと分かっていただけるだろう。
高血圧を改善する
臨床試験から、チアシードが高血圧患者と糖尿病患者の収縮期血圧(最高血圧)を下げることが分かった。この時、患者の拡張期血圧(最低血圧)に変化はなかったが、特定の条件下で高血圧を下げることは確からしい。(12,13)
中性脂肪を下げ、HDL(善玉)コレステロールを上げる
ラットを用いた研究によって、チアシードは中性脂肪、炎症、インスリン抵抗性、および、腹部脂肪を低下させる働きがあると分かっている。また、チアシードにはHDL(善玉)コレステロールを上げる作用があると考えられている。(14,15)
チアシードは妊婦におすすめ
ぜひ、チアシードを妊娠中にも摂取して欲しい。その理由は3つある。
- オメガ3脂肪酸を補給できる:チアシードはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている。このオメガ3脂肪酸は赤ちゃんの脳の発達に必須の栄養素である。
- 糖の吸収を穏やかにする:チアシードの水溶性食物繊維は食べ物の消化速度を遅らせて、血糖値の上昇を穏やかにできる。妊娠期の高血糖や妊娠期糖尿病は非常に危険で、高出生体重児、先天奇形、帝王切開、子癇前症などの合併症のリスクが高くなる。そのため、チアシードなどの食材を活用しながら、血糖管理を心掛けてほしい。(16)
- エネルギーが持続する:チアシードは糖質やたんぱく質などのエネルギー源が含まれている。また、チアシードの食物繊維には糖質の消化吸収を遅らせる作用がある。それゆえ、妊娠中であっても効率よく持続的にエネルギーを生産できる。
チアシードの効果についてもっと詳しく知りたい方は、『チアシードの11の効果+食べ方+レシピ』に目を通して欲しい。
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1-3.チアシードとは?副作用はあるの!?
ダイエットの副作用
チアシードをダイエットに活用して副作用が出ることはないだろう。
前述したように、チアシードは食物繊維が豊富に含まれており、食欲を抑える働きがあることから、ダイエットに有効だと言われている。このことから、チアシードダイエットによって食事の摂取量が減り、栄養不足になるのではないかと心配する人がいるかもしれない。
でも、安心して欲しい。チアシードには基本的なビタミンやミネラルも詰まっているのだ。
従って、チアシードで食欲が落ちたからといって、栄養素が不足して、体に異常が生じることは考えにくい。
胃痛・腹痛・便秘・下痢
チアシードを食べ過ぎると、胃痛や腹痛、腹部の膨満感、便秘や下痢などの症状がみられることがある。
これは、少量のチアシードであっても、多くの食物繊維を摂取してしまうからだ。たった大さじ1杯(12g)で食物繊維を4.1gも摂取できてしまう。
そのため、チアシードの食べ過ぎ、または、食物繊維の過剰摂取には注意しておこう。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の方は、病気の再発を防ぐために食物繊維の摂取量に制限があるので、必ずチアシードの容量を守ろう。
アレルギー・かゆみ
チアシードを食べると、稀にアレルギーが起こる場合がある。
大半の人はチアシードでアレルギー反応を生じることはない。ごく一部の人は摂取後にアレルギー反応を示す。
食物アレルギーの症状として、嘔吐や下痢、唇や舌のかゆみが出る。食物アレルギーの重症の症例では、強い喘鳴や呼吸困難など生命を脅かす状態であるアナフィラキシーにつながることがある。(17)
窒息
チアシードを食べて窒息する危険もある。
特に、嚥下障害のある人などは注意深く摂取する必要があるだろう。
チアシードは水に浸さずそのまま食べることができる。その利便性の一方で、体内で10~12倍の水分を吸収する特性がある。そのまま食べるときは、チアシードの性質を理解し、未然に窒息するリスクを最小限に抑えて欲しい。(18)
チアシードはその特性を把握しておけば基本的に安全な食材である。
前立腺がん
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸(ALA)の摂取が前立腺がんと関連しているという報告がある。(19)
だが、後にこの研究結果は否定されている。実際、2010年の報告では、ALAで前立腺がんのリスクが高まることはなく、反対にリスクが低下することが明らかにされている。(20)
そのため、一般的にALAのようなオメガ3脂肪酸は健康に有益であるが、もしかすると、ある特定の状況下に限って、前立腺がんのリスクが上がるかもしれない程度に考えておこう。
薬との相互作用
チアシードを食べ過ぎると、いくつかの薬と相互作用を起こすことが分かっている。
特に、糖尿病治療薬と高血圧治療薬を服用している人は、チアシードの摂取に注意を払うべきだ。。
これは、チアシードに血糖値を低下させる働きがあり、チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸は透析を行っている高血圧の患者の血圧を下げる作用があるからだ。(21,22)
そのため、糖尿病や高血圧の治療薬を服用しているが、チアシードを積極的に摂取したいと思っている人はお医者さんに相談しよう。少量であれば、問題になることはない。
副作用のまとめ
チアシードを食べ過ぎた場合に限って、副作用が出ることがある。どんな食べ物にも言えることであるが、適量を食べることが大切である。チアシードを食べる際は容量を守り、また、チアシードには水を吸収する性質があることを理解して、水分補給を心がけ、副作用のリスクを最小限にとどめる工夫をしよう。
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2.チアの植物の育て方
- はじめに、チアの最適な栽培条件を確認しよう。
・発芽適温度:20℃
・発芽率:80%
・栽培期間:3~4か月間
・草丈:100~120cm
・播種期:冷涼地:5~10月、中間・暖地: 4~9月 - チアの種子を購入する。
- チアの種子をまく。
まず、チアの種子をまきたい領域に生えている雑草を取り除き、土を指で軽くほぐしてください。チアの種子は小さいので、それほど大きなスペースはいらない。なお、チアシードを育てるために除草剤などは使用しない方が良いだろう。準備できたら、チアの種子を土の上にまいて、それらを土で軽く覆う。私は、チアの種子を鉢にまいて、室内で栽培を始めた。
- チアの種子を育てる。
毎日、水を注ぐと、1週間程度で発芽する。芽が7~8cm程に育ったら、室内の鉢から庭に移植して、栽培を続ける。徐々に成長していき、3~4か月後に花が咲く。そして、その種子を採取しよう。
*チアが7~8cmまで育った様子
最後に、チアの植物を育てるコツをアドバイスしたい。
- チアの種子をまく際は、小さな穴を掘り、そこにチアの種子をまき、優しく土で覆う。
- 定期的に水を注ぐ。
- 有機栽培し、チアと競合する雑草は取り除き、綺麗な空間を維持する。
- チアが成長するにつれて、堆肥を土の上から加えて、土壌を健康に保つ。
- 苗腐病や灰色かび病などの病気が発生したら、病気に侵された部分を除去する。同じように、カイガラムシやハダニなどの害虫が発生したら、早めに防除する。
チアの栽培は他の植物と比べて簡単だ。ぜひ育ててみて欲しい!