マンガンは、カルシウムや鉄分と同様に、身体にとって必須なミネラルだ。
なぜなら、マンガンには活性酸素の分解を促進する働きがあり、老化防止には欠かせない。
その上、骨を強化したい人や植物性食品の摂取量が少ない人もおすすめの栄養素なので、ぜひチェックしていただきたい。
そこで本日は、基礎知識に加えて、マンガンが多い6の食品を紹介する。
1.マンガンとは
マンガンは、身体に約15mg含まれている。そして、生体内のマンガンのうち、約25%は骨中にある。他にも、肝臓、膵臓、腎臓など多くの組織に存在している。
血清中のマンガン濃度は0.5~2µg/lになるように調節されていて、トランスフェリン、アルブミン、α₂-マクログロブリンと結合している。
難しい内容だが、皆さんの身体の中には思った以上に多くマンガンがある程度で覚えておくと便利である。
2.マンガンの必要量
マンガンの目安量は、成人の男性が4.5mg/日、女性が3.5mg/日と決まっている。
性別や年齢ごとの目安量をまとめているので、より詳しい必要量を知っておくことも大切だ。
表:マンガン(mg/日)の目安量
年齢 | 男性 | 女性 |
0~5(月) | 0.01 | 0.01 |
6~11(月) | 0.5 | 0.5 |
1~2歳 | 1.5 | 1.5 |
3~5歳 | 1.5 | 1.5 |
6~7歳 | 2.0 | 2.0 |
8~9歳 | 2.5 | 2.5 |
10~11歳 | 3.0 | 3.0 |
12~14歳 | 4.0 | 4.0 |
15~17歳 | 4.5 | 3.5 |
18~29歳 | 4.0 | 3.5 |
30~49歳 | 4.0 | 3.5 |
50~69歳 | 4.0 | 3.5 |
70歳以上 | 4.0 | 3.5 |
妊婦 | 3.5 | |
授乳婦 | 3.5 |
3.マンガンの効果
マンガンには3つの重要な働きがあることが知られている。
骨形成の促進
活性酸素の分解の促進
エネルギーの供給
また、マンガンはマンガン含有酵素としても機能している。例えば、マンガン含有酵素のアルギナーゼは尿素の生成に必須になる。
もちろん、マンガン含有酵素のピルビン酸カルボキシラーゼは糖新生に、スーパーオキシドジスムターゼ(マンガンSOD)は活性酸素の分解に関与している。それに、糖新生だけでなく、脂質やたんぱく質代謝においても、各種酵素の賊活剤として作用している。
その他にも、生殖能、成長および脳機能にも関わっていることが分かっているが、まず重要な3の働きを抑えておくと良いだろう。
カルシウム、亜鉛、銅と一緒にマンガンを摂取すると、骨粗しょう症に有効であると言われていることからも、マンガンは必須のミネラルだ。
4.マンガンの不足
マンガンは必須のミネラルであるので、不足すると良くないことは簡単に想像できるだろう。
実際に、マンガンが不足すると、成長障害、骨形成異常、糖質や脂質の代謝異常、血液凝固能の異常、生殖機能の低下、運動失調などが起こる。
しかし、マンガンは他の栄養素と比べて、必要量が少なく、かつ様々な食品に含まれているため、通常の食生活で不足する心配は少ない。
それでも心配な人のために、マンガンが多い6の食品を次にご紹介する。
5.マンガンの多い食品
マンガンが多い6の食品は以下の通りだ!
100g当たりの含有量も記載しているので、有効に活用して頂けたら幸いである。
表:マンガンの多い6の食品
マンガンは、土壌に含まれていているため、穀類、種実類、豆類などの植物性食品に多く含まれていることが分かる。
しかし、実際の食事では、マンガンは食べた量に対して約1~15%程しか吸収されないことに注意して欲しい。
その他の食材では、しょうが、干しエビ、焼きのり、缶詰のパイナップルなどにも多く含まれているので、好みに合わせ柔軟に選択するのがいいだろう。
記事は以上になるが、分からないことがあれば、いつでも気軽に質問してほしい。
最後まで読んでいただき、ありがとう!!