癌予防の効果が高い食べ物として、にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、パースニップなどがあります。
後編は、しょうが、にんじん、セロリ、パースニップの癌予防の効果を解説します。
ヒトのどの癌に効果があり、食材あるいはサプリのどちらから摂取すべきか分かっていただけると思います!
1.がん予防の効果がある食べ物とは!?
最近は、癌予防がより一層注目されていると思います。
メディアやネットでは、たくさんの健康食品が取り上げられ、情報が散乱しており、「本当に、癌予防の効果が高い食べ物は何なのか?」分からずにいると思います。
そして、これらの情報は間違いや説明不足のことが多く、今回記事にさせていただきました。
「本当に、癌予防の効果が高い食べ物は何なのか?」を知っていただけると思います。
最初に、癌予防の効果が高い食べ物を判断する際に重要なポイントが主に3つあります。
癌には胃癌、肝臓癌、大腸癌などいくつも種類があり、どの食べ物がどの癌を予防する効果があるかを知っておくこと。
動物実験や培養細胞上において、食品やその成分が癌を予防することが認められているが、ヒトでは効果がないことが多くあること。
食材として摂取した場合には癌を予防する効果がみられるが、その食材の成分を含むサプリメントを摂取した場合には癌を予防する効果がみられないことが多くあること。
それゆえ、癌予防の効果が高い食べ物を判断する際に重要なポイントを踏まえた上で、分かりやすく癌予防の効果が高い食品を紹介したいと思います。
後編では4つの食品(しょうが、にんじん、セロリ、パースニップ)の癌予防の効果について詳しく解説していきます。
1-1.しょうが
しょうが(ショウガ、ジンジャー)は、アジアの熱帯が原産地のショウガ科の多年草になります。
しょうがには「癌の予防効果がある」とよく取り上げられますが、ヒトにおいて癌を予防する信頼性の高いデータはまだありません。
たしかに、しょうがに含まれる抗酸化作用のあるショウガオールと呼ばれる成分は、培養細胞の実験において、癌細胞に効果があると報告されています。
これらは、癌の予防ではなく、増殖を抑える制癌作用であるうえに、食材としてしょうが多くたべると癌の予防になるという報告もありません。
つまり、しょうがは情報が一人歩きしていまっていて、注意が必要になります。
しかしながら、しょうがには癌予防に効果があるかもしれない成分が含まれるため、今後の研究に期待ですね!
1-1-4.しょうがの癌予防効果のまとめ
食事、またはサプリメントからのしょうがの摂取を増やしても、ヒトの癌を予防する効果があるという信頼性の高いデータはない。
1-2.にんじん
にんじんには、朝鮮人参、アメリカ人参、三七人参、ジベリア人参などの種類があります。
そのうち、癌の予防効果があるのは、朝鮮人参になります。
朝鮮人参は、別名としてオタネニンジン、高麗人参などと呼ばれることもあります。
なお、他のにんじんの種類では癌を予防する効果があるという信頼性の高いデータはまだありません。
しかし、三七人参(別名:田七人参)は特定のハーブと組み合わせて食べると、前立腺癌の患者において制癌作用が認められています。前立腺癌の予防効果があるかは分かっていません。
1-2-1.朝鮮人参の癌予防効果
朝鮮人参(オタネニンジン、高麗人参)が予防できる癌の種類は多くあります。
疫学データより、食事からの朝鮮人参の摂取が増えると、胃癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌などの発症リスクを下げる可能性があると分かっています。
1-2-2.にんじんの癌予防効果のまとめ
にんじんは、朝鮮人参のみ癌予防効果が認められています。
朝鮮人参(オタネニンジン、高麗人参)はヒトの胃癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌などの発症リスクを下げる効果が期待できます。
朝鮮人参は総体的な癌を予防する可能性が高く、朝鮮人参を使った健康食品は多くあるため、積極的に活用したいですね!
1-7.セロリ
セロリは、南ヨーロッパ地方が原産のセリ科の一年草、または二年草になります。
セロリには、セダノライドという独特の芳香成分が含まれており、動物実験において肝臓癌の予防効果がみられています。
ただし、ヒトにおいて肝臓癌予防のために、食事からのセロリの摂取が増えると、肝臓癌の発症リスクが減少するかどうかの信頼性の高いデータは発表されていません。
つまり、セロリの癌予防の効果は、動物実験ではみとめられているが、ヒトではまだ分からないということになります。
今後の研究の結果をみて、セロリが癌予防の効果のある食材であるか判断したいですね!
1-7-1.セロリの癌予防効果のまとめ
セロリは動物試験においての膵臓癌を予防する効果がありますが、ヒトに関しては結論が出てません。
セロリは、特徴的な香りや味のする食材であり、好みが分かれる食品だと思います。
それゆえ、癌を予防する効果があるかもしれない程度に考え、たまに食べるぐらいでいいでしょう!
1-8.パースニップ
パースニップは、ヨーロッパが原産のセリ科の一年草、または二年草(大半は二年草)になります。
パースニップは、別名としてアメリカボウフウ、シロニンジン、サトウニンジンなどと呼ばれることもあります。
パースニップは、主に主根を食用とします。
そして、パースニップがヒトの癌を予防する効果があるかは信頼性の高いデータがまだありません。
ちなみに、パースニップの葉においても癌予防の効果があるかの信頼性の高いデータはありません。
1-8-1.パースニップの癌予防効果のまとめ
食事、あるいはサプリメントからのパースニップの摂取を増やしても、ヒトの癌を予防する効果があるという信頼性の高いデータはない。
2.癌予防の効果が高い食べ物の総まとめ
癌の予防効果が高い食べ物として、よくメディアやネットに取り上げられる「にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、パースニップ」の計8つの食材について、前編(にんにく、キャベツ、甘草、しょうが)と後編(にんじん、セロリ、パースニップ)で解説させていただきました。
癌の予防効果が高い食べ物が、それぞれ「どの癌を予防するのか?」、「動物試験または培養細胞だけに効果があるのか、ヒトでも効果があるのか?」、「食材としてあるいはサプリメントとして食べたら効果があるのか?」について分かっていただけたと思います。
これらの3つのポイントこそ、癌の予防効果が高い食べ物を語る際に重要なことだと思います。
例えば、前編の記事で紹介した「にんにく」は、食材として食べるとヒトの大腸癌、胃癌、前立腺癌を予防する効果があるが、サプリメントとして食べると胃癌の予防効果はないと分かっています。
それに、癌と食べ物についての話題になったとき、「何の癌に効くの?」、「ヒトで効果あるの?」、「サプリメントでも効果あるの?」と指摘できれば、カッコいいと思いますよ!
ぜひ、皆さんの食生活にも癌予防の効果が高い食べ物を活用して、健康的な生活を送りましょう。
興味を持たれた方は、”前編”の記事も読んでみてください!!
癌予防の効果が高い食べ物の「にんにく」、「キャベツ」、「甘草」、「大豆」を紹介しています。