癌予防の効果が高い食べ物としては、にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、パースニップなどがあります。
前編では、にんにく、キャベツ、甘草、大豆の癌予防の効果を解説します。
ヒトのどの癌に効果があり、食材あるいはサプリのどちらから摂取すべきか分かっていただけると思います!
1.がん予防の効果がある食べ物とは!?
最近は、癌予防がより一層注目されていると思います。
メディアやネットでは、たくさんの健康食品が取り上げられ、情報が散乱しており、「本当に、癌予防の効果が高い食べ物は何なのか?」分からずにいると思います。
そして、これらの情報は間違いや説明不足のことが多く、今回記事にさせていただきました。
「本当に、癌予防の効果が高い食べ物は何なのか?」を知っていただけると思います。
最初に、癌予防の効果が高い食べ物を判断する際に重要なポイントが主に3つあります。
癌には胃癌、肝臓癌、大腸癌などいくつも種類があり、どの食べ物がどの癌を予防する効果があるかを知っておくこと。
動物実験や培養細胞上において、食品やその成分が癌を予防することが認められているが、ヒトでは効果がないことが多くあること。
食材として摂取した場合には癌を予防する効果がみられるが、その食材の成分を含むサプリメントを摂取した場合には癌を予防する効果がみられないことが多くあること。
それゆえ、癌予防の効果が高い食べ物を判断する際に重要なポイントを踏まえた上で、分かりやすく癌予防の効果が高い食べ物を紹介したいと思います。
癌予防の効果が高い食べ物としては、1990年にアメリカ国立癌研究所から食品中で最も癌予防の効果が高い食べ物を示した「デザイナーフーズ・ピラミッド」が発表されています。
図:デザイナーズ・フーズピラミッド
デザイナーズ・フーズピラミッドは、約40種類の食材をピックアップして、癌予防の効果が高い食べ物の順番が分かるようになっています。
そして、癌予防の効果が最も期待できる食べ物として、ネギ類のにんにくとアブラナ類のキャベツだと示されています。
その他にも、癌予防の効果が高い食べ物は甘草、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、パースニップが上位に入っています。
前編では上位の4つの食品(ニンニク、キャベツ、甘草、大豆)、後編では残りの4つの食品(しょうが、にんじん、セロリ、パースニップ)の癌予防の効果について詳しく解説していきます。
1-1.にんにく
にんにくが予防できる癌の種類として、大腸癌、胃癌、前立腺癌があります。
一方で、乳がんや肺がんにおいては効果がないことが分かっています。
1-1-1.にんにくと大腸癌
大腸癌予防のために、食事からのにんにく摂取が増えると、結腸直腸癌の発症リスクが減少することが疫学調査から分かっています。
しかし、にんにくのサプリメントを摂取した場合には同様の効果がみられていません。
1-1-2.にんにくと胃癌
胃癌予防のために、食事からのにんにく摂取が増えると、胃癌の発症リスクが減少することが疫学調査から分かっています。
ただし、にんにくのサプリメントを摂取した場合に効果があるかは未だ分かっていません。
1-1-3.にんにくと前立腺癌
前立腺癌予防のため、食事からのにんにく摂取、あるいはにんにくのサプリメントの摂取が増えると、前立腺癌の発症リスクが減少することが疫学調査から分かっています。
1-1-4.にんにくの癌予防効果のまとめ
にんにくには、ヒトの大腸癌、胃癌、前立腺癌を予防する効果があります。
しかし、にんにくをサプリメントとして摂取しても、大腸癌を予防する効果はなく、胃癌はまだ結論が出ていません。
それゆえ、にんにくを食べるなら、サプリメントではなく、食材として摂取した方がよいと思います。
にんにくは、使用頻度の多い食材なので、積極的に生活に取り入れたいですね!
1-2.キャベツ
キャベツに含まれるイソチオシアネートは、発癌を促すニトロソアミンの活性化を抑えて、異常化した細胞の増殖を抑えるため、癌予防効果が最も期待できる食品成分と言われています。
しかし、食材としてキャベツを摂取して、癌予防の効果があるのかについて信頼性の高いデータは十分ではありません。
ちなみに、キャベツ、ケール、ブロッコリー、カリフラワーなどの野菜をたくさん摂取した場合には、ヒトの肺癌、胃癌や直腸癌の発症リスクが下がると言われており、更なる根拠や信頼性の高いデータがでることに期待しています。
1-1-1.キャベツの癌予防効果のまとめ
キャベツに含まれる成分のイソチオシアネートには癌予防の効果がありますが、食材としてキャベツを食べて効果があるかは未だ結論が出ていません。
しかしながら、肺癌、胃癌や直腸癌など一部の癌において、予防の効果がみられる可能性があり、普段からキャベツを食べるように心がけるようにするといいと思います!
1-3.甘草
甘草は、ロシアのウラル地方、シベリア、モンゴルなどに分布するマメ科の多年草になります。
甘草は、甘味が強く甘味料として醤油、漬物、お菓子などに使用されてます。
また、甘草は漢方薬の中で最も多く配合されている代表的な生薬でもあります。
そして、甘草のエキスや甘味成分のグリチルリチンは、癌を予防するのではなくて、癌の増殖を抑える制癌効果が注目されています。
なお、前立腺癌の患者に甘草と7種類のハーブを組み合わせて摂取すると、癌細胞を減少させる効果がみられています。
1-1-1.甘草の癌予防効果のまとめ
甘草は、癌の予防の効果があるかの信頼できる論文やデータが見つかりませんでした。
しかしながら、前立腺癌患者において、癌細胞を減少させる制癌効果はみとめられています。
それゆえ、今のところ、癌の予防のために摂取する必要はないと思います。
1-4.大豆
大豆が予防できる癌の種類として、乳癌があります。
また、データは十分ではありませんが、大豆は子宮内膜癌や胃癌の発症リスクを下げる可能性があると言われています。
1-4-1.大豆と乳癌
乳癌予防のために、食事からの大豆摂取が増えると、乳癌の発症リスクが減少することが疫学調査から分かっています。
面白いことに、中国の女性において、青年期の大豆食品の摂取が乳癌の発症頻度の低下に繋がると報告されています。
つまり、大豆食品を若い頃に多く食べることが、将来の癌予防に重要であると言うことになります。
ただし、一部の研究者は、大豆摂取が乳癌の発症リスクを高めると報告しており、大豆の役割について更なる研究が必要だと思います。
1-4-2.大豆と子宮内膜癌
子宮内膜癌予防のために、食事からの大豆摂取が増えると、子宮内膜癌の発症リスクが減少することが疫学調査から分かっています。
大豆と子宮内膜癌に関しては、データは十分ではなく、可能性がある程度と考えてください。
1-4-3.大豆と胃癌
食事からの非発酵形態の大豆食品(豆腐など)の摂取が増えると、胃癌の発症リスクが減少する可能性があると言われています
こちらも、データは十分ではなく、可能性がある程度と考えてください。
注意していただきたいことは、大豆発酵食品(味噌など)を大量に摂取すると、反対に胃癌の発症リスクが高まる可能性があると言われています。
1-4-4.大豆の癌予防効果のまとめ
大豆は、ヒトの乳癌、子宮内膜癌、胃癌を予防する効果があります。
乳癌については、一部例外があるが、リスクが下がるという報告が多く、大豆による乳癌の予防を期待してもいいと思います。
しかし、子宮内膜癌や胃癌はデータが少なく、未だ議論されているところになります。
大豆を食べるなら、若い頃から意識して食べておくことがよいのではないかと思います。
今回、「癌予防の効果が高い食べ物8選紹介(前編)にんにくは効く?」では、癌予防の効果が高い食べ物として「にんにく」、「キャベツ」、「甘草」、「大豆」を紹介させていただきました。
ぜひ、皆さんの食生活に癌予防の効果が高い食べ物を取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
興味を持たれた方は、”後編”の記事も読んでみてください!!
癌予防の効果が高い食べ物の「しょうが、にんじん、セロリ、パースニップ」を紹介します。